「生きる場所」が、最高の特効薬だった。

加計呂麻島(かけろまじま)という自然豊かな離島で、「そらなぎ」という情報発信の事業を立ち上げている「人生の寄り道案内所」です。

今、この島で真新しい「そらなぎ」の名刺を作り、このメディアをしっかりとした地盤にするべく本腰を入れる毎日ですが、ほんの少し前まで、私は大阪の企業で役員として慌ただしく駆け回っていました。

近いうちに私のもう一つの顔である「看護師」として地域の医療現場に立つ日も来ると思いますが、今は3人の子どもたちと向き合い「主夫」の役割をこなしながら、この新しい事業に全力を注いでいます。

血圧はいつの間にか正常値に戻り、特別なダイエットもせずに体重は5kg落ちました。 乱れがちだった自律神経はすーっと整い、今は毎晩22時30分に眠りにつき、朝5時30分にすっきりと目覚める。

何か特別な治療を受けたわけではありません。 ただ、「住む場所と生き方」を変えただけです。

妻に突きつけられた、ぐうの音も出ない「現実」

安定した役員の座を手放し、なぜ家族5人で海を渡ったのか。 そこには、移住を夢見る誰もがぶつかる「家族の壁」と、それを乗り越えるための生々しい葛藤がありました。

「ゆくゆくの話だけど、島に移住しない?」

私がそう切り出し始めたのは、移住の数年前のことです。 その時の妻の反応は、今でも鮮明に覚えています。

「えっ?無理でしょ。島は大変だよ色々と。住むところ、仕事、お金はどうするの?子供達は?」

圧倒的に都市部の便利さに魅力を感じていた妻からすれば、戸惑うのは当然でした。 仕事は?お金は?教育は? 彼女の言葉は、移住という夢に浮き足立ちそうになる私に突きつけられた「現実」そのもの。

この時、私は大切なことに気づきました。 パートナーの猛反対は、決して私の夢を邪魔したいわけではなく、家族を守るための「当然のリスク管理」なのだと。

だからこそ、「自然豊かで最高だよ!」といった感情論で説得するのは逆効果になります。 そこから、私たちの長い長い話し合いが始まりました。

「何を捨てるか」ではなく「何を創るか」を語る

都会の便利さを手放す悲しさを上回る、圧倒的なワクワクをどう共有するか。 私たちがたどり着いたのは、「島だからこそ叶えられる、一生の夢」を描くことでした。

それは、都会では到底手が出ないような広い土地に、自分たちの好きなようにおしゃれな平家を建てるというマイホームの夢です。

窮屈なコンクリートの街ではなく、見渡す限りの大自然の中で、子どもたちをのびのびと育てながら、理想の家をゼロからつくる。

「何を捨てるか」ではなく「新しい場所で何を創るか」。 その自由でクリエイティブな未来図を夫婦で何度も話し合ううちに、妻の言葉が「無理でしょ」から「それなら、行ってみようか」へと少しずつ変わっていきました。

「逃げ」ではない選択。半年間かけたバトンタッチ

移住の合意はできましたが、勢いで会社を飛び出すようなことは絶対にしたくありませんでした。 役員として抱えていた多くの責任を投げ出せば、これまでのキャリアも信頼も台無しになってしまいます。

そこで私は、自分の抱えている業務を一つひとつ棚卸しし、残るメンバーが絶対に困らないための「業務移譲」を徹底的に行いました。 すべてを引き継ぎ終えるまでにかけた期間は、半年間。

立つ鳥跡を濁さず。 盛大に送別会も開いていただき周囲から背中を押されて送り出された区切りがあったからこそ、私は今、新しい土地での事業「そらなぎ」に一点の曇りもなく向き合えています。

深呼吸できる場所で見つけた「本当の豊かさ」

そうして辿り着いた、加計呂麻島での暮らし。

玄関を一歩出れば、思わず深く深呼吸をしてしまうほど澄み切った空気。 どこまでも続く透明な海。 夜になれば、見上げるとこぼれ落ちそうな満天の星空が広がっています。騒音は全くなく、波や小鳥、虫の鳴き声など自然の音が心地よい天然のBGMとなっています。

この大自然のリズムに身を委ね、都会での見えないプレッシャーから解放されることが、どれほどのクスリになるかを身をもって体験しています。

肩書きを変え、想定外の出費に驚きながら 、この島で手に入れた「心身の健やかさ」と「家族の笑顔」は何にも代えがたい財産です。
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  40代の移住と転職、リアルなお会計。〇〇〇万円の出費を「最高の資産」に変えるお金と心の準備 – Island Life ~人生の寄り道案内所~

私の経験が、今まさにプレッシャーと戦いながら「いつか」を夢見ている方の背中を、少しでも押すことができれば嬉しいです。

これからもこの「そらなぎ」を通して、自然と共にある暮らしのリアルや、人生を豊かにする情報を発信していきます。

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