今回の舞台は、真っ赤な大地にそびえ立つ地球のおへそ「エアーズロック(ウルル)」。壮大な大自然をドライブで駆け抜ける……そんな映画の主人公のような自分を想像しながら空港に降り立った私を待っていたのは、凡ミスからの逆転劇でした。

1. 誇らしげに出した国際免許証、そして絶望

意気揚々とレンタカーのカウンターへ向かい、「ハロー、アイハブ ア リザベーション!(ドヤ顔)」と、ピカピカの国際免許証を提示しました。

しかし、スタッフのお姉さんは冷酷かつ冷静にこう言い放ったのです。 「OK。で、母国の運転免許証はどこ?」 ​……え? いやいや、だからこの国際免許証をですね……。

「国際免許証はただの翻訳。日本の免許証原本がないと、車は絶対に貸せません(ニッコリ)」 頭の中で、ガラガラと音を立てて私の壮大なドライブ計画が崩れ去ったどころか、血の気が引きました。 完全に私のリサーチ不足。例えるなら、「パスポートのコピーだけ握りしめて海外に行こうとする」くらいトンチンカンなミスです。

2. 砂漠のど真ん中で「詰んだ」瞬間と、捨て去ったプライド

そんなやり取りをしていると小さな空港内はガランと人の気配が無くなり始めました。空港の外に広がるのは、見渡す限りの赤土と荒野。「これ…ヤバいやつだ…」。 ここはオーストラリアの砂漠のど真ん中です。車がなければ、予約している宿にすらたどり着けません。歩いて行こうものなら、容赦なく照りつける太陽の下、干し肉になってカンガルーの餌食になる未来しか見えません。

「頼む、なんとかしてくれ!!」

自力で進むしかない厳しい現実を前に、私はプライドを完全に捨て去りました。レンタカー会社のスタッフや、たまたま通りかかった空港職員さんに片っ端から声をかけました。 身振り手振りと必死の形相で、「エキュスキューズミー、ミー、ノー・カー! ホテル、ゴートゥー・ウォント! ヘルプ・ミー!!」と、世界の中心で助けを叫ぶ不審者と化しました笑。

3. 砂漠に舞い降りた天使

そんな私のあまりの必死さ(と情けなさ)に見かねた、一人の心優しいスタッフが救いの手を差し伸べてくれました。あちこちに連絡を取ってくれ、なんと奇跡的にユララ行きのバスを手配してくれたのです!

バスの座席に腰を下ろした瞬間のあの安堵感……。クーラーの冷たい風を浴びながら、「人の優しさって五臓六腑に染み渡るな」と本気で泣きそうになりました。 プライドなんか捨てて「助けて」と声をあげたことで、心優しい人が窮地から救ってくれた瞬間でした。

4. トラブルのち、圧倒的絶景。ちっぽけな自分を愛でる

自力でのドライブは幻に終わりましたが、急遽現地でツアーに申し込み、翌日ついに念願のエアーズロックへ!

当日は風が強くて、残念ながら岩に登ることはできませんでした。「昨日から踏んだり蹴ったりだな…」と一瞬ヘコみましたが、エアーズロックの麓に立った瞬間、そんなちっぽけな感情は一瞬で吹き飛びました。

デカい… 
ただただ、理不尽なほどにデカい

赤茶色の巨大な壁が目の前に迫り、大地から湧き上がるようなとてつもないエネルギーを感じました。 思い通りにいかない現実に打ちのめされ、レンタカーを借りられなくて半泣きで走り回った昨日の自分が、なんだかとても愛おしく、そしてちっぽけに思えるほどの圧倒的な存在感。 登れなくたって関係ない。この岩を間近で見上げた記憶は、間違いなく一生の宝物になりました。

5. 旅の教訓:失敗はすべて、あなたを沈ませない「浮力」になる

完璧な計画を立てて、自力でかっこよく進む覚悟は大切です。でも、現実にはどうにもならないトラブルも起きますし、理不尽な風が吹いて目的を果たせないこともあります。

そんな時は、ジタバタするのをやめて、大自然の前に身を委ねてみる。プライドを捨てて立ち止まり、誰かに助けを求めてみる。 思い通りにいかなかった失敗や情けない経験すらも、「あの時は焦ったな」と笑い飛ばせるようになった時、それらはすべて、人生の荒波の中であなたを沈ませない強靭な『浮力』に変わっています。

絶望のどん底から、人の温かさに触れ、地球の偉大さと自己受容を知る。これだから未知なる旅(そして人生)は魅力的です。

最後に、海外でレンタカーを借りてカッコよくドライブしようとしている未来の冒険者たちへ、私から血の滲むようなアドバイスを送ります。

「国際免許証だけでなく、日本の運転免許証も、絶対に、絶対に忘れるな!!!」笑

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